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若者たちは、本当に就業意欲があるのか [雇用]

 1月5日付読売新聞に掲載されたキャノン社長 御手洗冨士雄氏のインタビュー記事に出てくる見出しです。
 「今日の若者の就業の様子を見ていても、フリーター、ニートと言われる層に本当の就業意欲があるのか。」との発言が出てきます。
 御手洗氏は有期雇用の若者に正社員の誘いをしても断られたと言っています。私も会社員時代にアルバイトさんから「(長時間過密労働の)社員のようには(激しくは)働けない」と言われたことがあります。

 しかしその一事をもって若者の就業意欲を疑うのはいかがなものでしょうか。過労死を呼ぶ長時間過密労働、いくら努力しても報われるとは限らない成果主義・能力主義、会社に尽くしてもリストラの不安がぬぐえない、こんなことでは正社員に二の足を踏む人が出るのは当然です。そして御手洗氏はそういう会社経営、経済運営を推進してきた側です。
 私はアルバイトさんの言葉に怠け者!ではなく「そうかもね」と思った覚えがあります。

 1月9日付の山陽新聞には御手洗氏の発言に対する反論とも言える二つの記事が掲載されています。
 一つは文科省実態調査です。ニートの実態調査に基づいた文科省の「ニートは『意欲のない若者』と見られているが、必ずしも実態はそうではない」とのコメントが紹介されています。
もう一つは「ニートと向かいあって」という連載記事の第一回です。見出しに「働くことを放棄してない」とあります。

 山陽新聞の連載記事は若者の就労支援に取り組んできた方によるものでこちらの方が青年の気持ちや実態をつかんでいると思います。

 また読売の記事ではインタビュアーが産業界のコストカットが女性や若者の不安につながっているように見える、と当然のことを述べているのに対し、御手洗氏は雇用者支援の結果、業績が悪化したら企業自体が成り立たず雇用が消える、と財界お決まりの脅し文句で返答しています。

 しかし女性や若者が能力をしっかりと発揮できる場をつくることが日本全体の発展につながるのではないでしょうか。財界のやり方は一部企業の発展しか考えていません。


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