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見込み違いで7倍 [岡山市議会]

岡山市議会 都市・環境委員会が開かれました。
大きな議題は水道料金の値上げと事業費激増の路面電車の岡山駅前広場への乗り入れの件でした。

水道料金の値上げ案は、例えば13mmで2ヶ月で40㎥使うと5,126円から6,006円への値上がり、率にして17.17%です。
平均改定率は20.6%の値上げだが、事業所等が多い大口径の上げ幅を大きくして、家庭が多い13mm、20mm、25mmの上げ幅は抑える、という提案でした。
事業所にもいろいろあります。
医療機関で透析には大量の水を使います。介護施設でデイサービスのお風呂に入りに来るような人もいます。
診療報酬も介護報酬も定められていて、水のコストが上がったからといって、患者さん・利用者に転嫁できません。それ以外の事業も全体的にコストが上がれば、市民の負担に回ってくる可能性があります。
暮らしや事業への影響を調査するように求めましたが、水道局はやる気なしでした。
値上げ案の市民への周知を求めたところ、水道局ホームページで知らせるということでした。
この値上げ案で、いくらの収入増を見込んでいるかを尋ねると、年間25億円でした。
市の一般会計3,600億円をやり繰りすれば増税などなくても水道料金の値上げは抑えられます。

路面電車は、市が2022年2月に示した事業費66億円から22億円余りの増です。
地下街の補強工事に関して、2度目の見込み違いです。完成時期は1年半遅れます。
平面乗り入れ10億円で始まった話が、線路の延伸が7倍の70億円になり、事業全体では88億円余です。
国の補助があるから、と「市の持ち出しの増8.6億円」の話にしたり、今のところ進めていない岡山駅前広場の大改修計画と合わせた43億円から88億円への増の話にしようという議論もありますが、延伸と一体の事業で10億円から9倍になったという受け止めの方が市民感覚でしょう。
駅前広場の大改修を実施したら100億円を超えます。

1回目の費用増の際に市は費用便益比が1.05と算出しました。コストが2億5千万円上がれば、1を切る値です。日本共産党岡山市議団は、コストが変わったら再計算するように求めていました。
それが22億円余の費用増です。ところが市は便益も増えるとして、費用便益比は1.07という値を出してきました。
「路面電車に乗車して移動する人数について、駅前商店街や本町方面の利用者を除外」
「路面電車の信号待ち時間について、信号サイクル長から信号青時間を除外」
などしたことによるものです。
私は繰り返し、利用目的・実態に応じた評価をするように求めてきました。東山線の乗り入れ電停が2箇所になっているのも以前からです。
どちらも前回の1.05を算出した時には分かっていた話です。
なぜこれまで計算に入れてこなかったのかを尋ねると、計算に入れてもよかったと認めました。
1以上だったから全ての要素を計算をしなかった、というのもいい加減な話です。
乗り入れありきで突き進んできたことが窺えます。

なぜ地下街の補償費の見込み違いが起きたのかは、他の議員からも疑問が出されました。
地下街の工事の経験がある山陽SCは今回の事業の調査や設計にも関わっています。市の思惑通りにできるかどうか、確認できたはずです。

2022年2月議会で、都市・交通・公園担当局長が、状況の変化について留保はしつつ「今回の事業費の精査については詳細設計に基づくものであり、現時点において大きな増額はないものと考えております」と答弁したことを指摘しました。精査が不十分だった訳です。

路面電車の事業費激増について議論する市議会の様子を伝えるテレビニュースhttps://news.ksb.co.jp/article/14993155

議員には議論の上、最終的に事業費増を容認して賛成するのか、反対するのか、が問われます。
次回は9月13日に議案審査の議論と採決が行われます。
本会議での採決は9月19日です。

その他、工業用水道の値上げ方針の説明、下水道事業の取組状況の報告、事故報告などがありました。
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